第11回リサイクルアート展 最終審査結果発表

2025年10月24日(金)~26日(日)に開催されました「第11回リサイクルアート展」の最終審査結果発表と作品講評をお伝えします。

一般の部

グランプリ

記録/記憶の碑 / iMA

<審査委員長講評>
終わりゆく記録媒体を「観る」対象へと転換した作品です。漆喰や錆びた銀箔を使って見せてくれる古びた表情は「時」を感じさせてくれる力強さがあります。

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凖グランプリ

干支(12支) / 西岡良和

<審査委員長講評>
古びた機械部品や工具の、錆びや塗装の剥がれから侘び寂びの味わいを感じてほしいとのことです。コミカルで表情豊かな干支の形が魅力的です。

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優秀賞

文字夜景 / 和田章

<審査委員長講評>
街並みから少しずつ書店が消えていく寂しさから、雑誌で函館の夜景を作ったとのこと。徹底的にこだわり抜いた驚きの見せ方に言葉がありません。
 


優秀賞

メカワニ 未来を守る勇者 / 田中信一

<審査委員長講評>
金属部品や機器類の廃材を再利用しメカニカルに表現されています。半田付けやビス留めなどを多用して、密度の高い造形に、見る側の心も躍るような作品です。


優秀賞

「ゆれるバラ」ライトで照らしてみて観て / 三代光

<審査委員長講評>
アルミ缶の底の部分の、光を当てると水平垂直方向に光の帯が現れる独特な表情に着目しました。緻密な計画の元、ライトを当てるとバラに見える表情が魅力です。


優秀賞

獅子再生 / 本堀雄二

<審査委員長講評>
環境と共生し、未来を守る力になればと願い獅子が表現されています。ペットボトルの組み合わせを試行錯誤して透明な中に厚みのある形が力強く表現されています。


優秀賞

1,450~1,540 / 五三和

<審査委員長講評>
地域によってプラスチックのリサイクルのあり方に違いがある事の発見を発端に、環境に対して疑問を持った作品です。構造体と玉子ケースのアンバランスな対比が不思議です。


高校生の部

グランプリ

ベジータTOMATO / クラブザンビア(京都先端科学大学附属高校)

<審査委員長講評>
トマトのビニールハウスは2年に一度は廃棄されるという事を聞き、困難な状況でも最後まで諦めないトマトを制作してくれました。見応えのある造形です。

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優秀賞

勝利は誰の手に / 蔵前光一

<審査委員長講評>
戦いの勝敗がつく瞬間を作り、獣の躍動感を見てもらいたいという作品。スケッチブックそのままの色あいで、素朴な表現スタイルが魅力的な作品です。


優秀賞

チラシの耳飾りの少女 / 聖徳学園中学高等学校美術部

<審査委員長講評>
不用なチラシを2cm角にカットしたもの約6500枚使って制作してくれました。微妙な色合いの再現の為に最適なピースを探し出す努力が報われました。


優秀賞

ペットボドグウ / 髙橋康介

<審査委員長講評>
縄文人は動物の骨や皮を余すことなく活用し、自然と共に暮らしていたその精神をリスペクトして、土偶を制作してくれました。形使いのうまさが光る作品です。

中学生の部

グランプリ

Re-Birth of Wings / 小樽市立望洋台中学校 文化部

<審査委員長講評>
小樽市の鳥「アオバト」をモチーフに「繰り返される争いを止め、平和で埋め尽くしたい」と願った作品です。ひなに託した想いが心を締め付けます。

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優秀賞

叫ぶトナカイ/ トナカイを救う者達(留萌市立港南中学校)

<審査委員長講評>
絶滅の危機に瀕しているトナカイ。体から廃棄物が流れ出る表現などで、悲惨な状況を見せたかったようです。悲惨な中に作者達の優しさを感じます。


優秀賞

人車鉄道の模型 / 鈴木涼介 

<審査委員長講評>
鉄道模型も作る作者が人車鉄道に興味を持ち、明治、大正時代の鉄道の雰囲気を制作したとのことです。よれて曲がった様子にとても親しみがもてます。


優秀賞

Re.MIX / 森本龍生

<審査委員長講評>
素朴な素材でパーティの混沌とした様子を表現してくれました。DJブースっぽさにこだわった、DJアートというなんとも理解しがたい不思議さが魅力の作品です。


小学生の部

グランプリ

GOMI BASTer / 相馬曜(6年生)

<審査委員長講評>
ゴミを食べて減らしてくれる、心優しいけど、見た目はゴミに打ち勝つ強さがあるグロテスクな花を作ってくれました。イメージの対比が面白い作品です。

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優秀賞

お菓子な恐竜 / 中村駿文(4年生)

<審査委員長講評>
大好きな恐竜が、お菓子の入れ物を食べて地球を救ってくれました。どこに何のお菓子の入れ物使うかを工夫したそうです。動きや表情が魅力的な作品です。


優秀賞

四季彩の丘 / 佐々木葵(5年生)

<審査委員長講評>
大好きな美瑛町の丘の景色を、ペットボトルをパンチしてトースターで焼いた丸い破片とリングプルで作ってくれました。宝石のような美しさが魅力的です。


優秀賞

りゅうぐうじょう/ 小川咲(4年生)

<審査委員長講評>
竜宮城の窓から見た海の中の景色を、光を通さない材料を選んで表現してくれました。制作物をシルエットで見せるという、実は裏面が魅力な作品です。


審査員特別賞

永井賞

プラスチックキッズ/ CHOTI Amnart

<永井博講評>
どこか悲しげな雰囲気を出していて、現在の地球を表現しているようで世界各国で起きている様々な問題を想起させます。考えさせられる作品です。


菅原賞

君だけのプラスチックヒーロー / 萱島杏里

<菅原一剛講評>
現在、ぼくたちの生活の中はプラスチックで溢れています。そしてプラスチックという素材は、特にリサイクルという観点では問題が多いことも事実です。しかし現在、そんなプラスチックたちのリサイクルは、日々新しいすがたを模索しながら未来に向かって、様々なかたちと変化しながら再生を繰り返しています。その中でぼくには、そんな未来に向かう前向きなひとつのすがたとして、今回の作品を感じることが出来ました。


三浦賞

射手座 / 澤里昂(小学3年生)

<三浦啓子講評>

よく見つけて組み合わせたなあと。顔の見立てもとてもよいと思いました。
見つけるというのは、二つ意味があると思います。 自分のまわりにある落ちているもの、捨てられているものに目を向けること。 もう一つは、モノの見え方をいろんな方向でとらえてみること。分解してみるということもとても大切なことです。 そこからモノ語りが生まれたことの過程にも惹かれました。
これからもいろんなものに目を向けて、そして時には分解して、モノの価値を見出して欲しいと思います。


引地賞

和をささぐ塔と僕 / 阿部新太郎

<引地幸生講評>
はじめは部門を間違えて応募したのではと思った作品でしたが、見ているうちに素直な表現と構図、色使いと丁寧な仕上げに心惹かれた作品でした。卵の殻に色をつけ、綺麗に貼り付けたこの作品はとても素朴で印象に残った作品です。