2021 受賞作品|一般の部|優秀賞
「ITONAMI~北国の森では」
YOMO KAORI
<コンセプト>
情報化社会の進化は「第5世代」~society 5.0を迎えた現代、大量のデータを即座に送受信し、人間の記憶量の千倍を凌駕するビックデータから情報を取り出すことも出来るように。いつしか万能感に浸っていたかのような私たち人類も、コロナ禍にあっては成すすべなく不安と閉塞感の日々を送る他ありません。2020年地球上を席巻した疫病。それは未だに人類を翻弄し続けています。
未知のことに憂い、おろおろするばかりの人類に対し、地球上の生きものの姿勢はこれまでと何が変わったのだろうか?・・・そう考えてみたことが制作のきっかけでした。
動植物は、自然環境に徐々に順応しながら、古からの営みを今も続けています。誰に教わることもなく生きる為のスキルと、自らの命を次の世代に繋げ、シンプルに今を生きることに専念する姿があるだけです。北海道の山奥では空・水・樹木など、まだ残る環境の中で、今もこのような姿が見られるのだろうと想像しながらの制作でした。
<アピールポイント>
猛禽類オジロワシの力強さと巣の中の雛にせっせと餌を与えるしぐさの温かみ、そして親鳥が巣に降り立った場面の躍動感の再現に腐心しました。直径2m近いオジロワシの巣を、かご型の台所のスポンジ受けを土台にミニマムに再現し、どれだけその瞬間の「らしさ」を表現できるかに挑戦しました。壁掛けですが、主役を半立体に浮きだすことができるよう固定。オジロワシはプラスティックハンガーの一部を芯に緩衝材各種を巻き付けるよう、ぬいぐるみを作るように成形していきました。古いステレオの配線を針金に巻き、脚を表現。雛の体も古紙から作った手作り紙粘土をスタンプ式トイレ洗剤の空き容器に付けていきました。目は古着のボタンをペイント。
背景の樹木や森の図は、一度自分が描いた原画をPCに取り込み10色にモザイク化しました。トイレットペーパーを繋げた土台に貼る計画とした為、縦横の比率に湾曲が生じ、その計算に挫けそうに。また300本超のトイレットペーパー芯を繋げて固定することは想定以上にやりがいがあるものでした。(汗)遠くから見ると目論見通りの北国の背景に見えるよう、祈る気持ちでモザイク状に着彩しました。(笑)
【使用素材】
● バーベキューの使い捨て金網 ● スタンプ式トイレ洗浄剤空き容器 ● トイレットペーパー芯 ● 緩衝材 ● 発砲スチロール ● フラワーオアシス ● 再利用割りばし ● 針金 ● 廃棄家電の配線コード ● 紐 ● 空き缶 ● 古い木枠 ● ベニヤ板 ● 台所のスポンジ受け ● 古布切れ端 ● 竹製のランチマットをバラしたもの ● クリアーファイル ● スキー用グローブ中綿 ● ボタン ● 縫い付け用木綿糸 ● 古紙から作った手作り紙粘土 ● 古紙 ● 樹脂粘土 ● 古着からほどいた毛糸 ● 古着付属のラビットファー ● 湿布の空き袋 ● プラスチックハンガー ● 結束バンド ● 強力両面テープ ● 接着剤 ● アクリル絵の具 ● 水性カラーペン ● 古いリースの芯材
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