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2020 受賞作品|一般の部|審査員特別賞

秋輪(しゅうりん)
林 誉之

<コンセプト>
私の日々の業務の中で発生しリサイクルに出す廃プラスチックのなかに、割れて交換されたテールランプやウインカーのレンズがあります。部品としては機能しなくなったランプのレンズですが、排出当事者としてその特性を生かした創作活動を行い、自分達の立場から資源の行く末を改めて考えるきっかけになればと考えました。
自動車やオートバイ、農機や重機にも使われるランプ類は、被視認性を考えた意匠としてレンズカットが施され光を様々な角度から認識出来るように作られています。私達も、モノを多様な視点から観察することで廃品に新たな光を見出せるのではないかと思います。
赤く染まり秋の終わりを告げ、役目を終えたように見える木々の葉が実は豊かな土壌となり次の命を育むように、持続可能な社会に想いを馳せて、大きな循環をイメージしたホイール内に紅葉を表現しました。

<アピールポイント>
躯体には、スケール感を出すため100万キロ以上、のべ数十万トンの物資を輸送してきた大型トラックの廃品ホイールを用いました。
細かく切ったテール・ウインカーレンズに奥行きをもたせて、視点を移していったときに光が絶えず変化していくよう配置しました。
コンセプトに説得力を持たせるために、我々の生活と安全を支えてきた工業製品の廃材の特性と質感を生かしたまま、有機的な美しさを持たせることを目標としました。

【使用素材】
●廃プラスチックレンズ ●廃スチールホイール ●台風害で壊れた看板の部材(アルミ複合版・スチール丸棒)
●廃ブレーキディスク ●カバーが破損したシーリングライト

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2020