一般の部

グランプリ

今日までの地図 明日への道/林 誉之・麦穂

<審査委員長講評>
段ボール片に古い道路地図を巻いたブロック約12000個を積層し、循環型社会へのロードマップとなることを願って、わが子とつくった造形作品とのこと。圧倒的な量の古い地図のブロックが形や色の微妙なグラディエーションを醸し出し、みる人に絵画やデザインと異なるアートを表出させています。新型感染症がいまだ治まらない中、明るい未来へ続く道を表現したいというメッセージが伝わってきます。

<作品コンセプト>
これまで使ってきた古い道路地図を使用して、これからの明るい未来へ続く道を表現したいと思いました。
感染症の蔓延、そして通信技術の革新によりいま、移動することの意味が大きく変わりつつあります。また、情報伝達手段としての紙は電子記録に置き換えられ、誰でも簡単に正解らしいものは見つけられるようになりました。
しかし、実際に出かけて様々な土地や多様な人・文化を肌で感じ、迷ったり遠回りして得た経験は我々にとって大切なものです。同時に、人間の社会・文化活動は未だ環境負荷が大きく、その価値を守るために自覚を持って行動することが必要だと思います。
地球上のあらゆる地域の人々が積み重ねてきた歴史が環境と調和し、循環型社会へのロードマップとなることを願います。

<使用素材>
●古くなった地図 ●段ボール ●垂木・1x4端材


凖グランプリ

Neptune(ネプチューン)/
クラブザンビア(6名)

※リサイクルアート展全体の作品を審査した上で、審査員全員が高校生の部「クラブザンビア」のNeptune(ネプチューン)はダイナミックで力量が高くリサイクルアートの象徴的な作品で一般の部の準グランプリに相当すると評価しました。

<審査委員長講評>
アフリカのザンビアの学校と文化交流をしているクラブの仲間たちと、水や身の回りの資源の大切さを考え、水不足のシンボルとして蛇口を作ったとのこと。校内にリサイクル用の回収ボックスを設置し、それを使っての造形作品、まさにリサイクルアートです。やや、グロテスクな中にも形の変化の面白さや色の集合体としての美しさ、光を活用しての独特の表現の魅力が評価できます。

<作品コンセプト>
私たちクラブザンビアの生徒はアフリカのザンビアの学校と交流を持ち、アートを通して文化交流を深め、様々な課題に取り組んでいます。
今回はリサイクルをテーマにクラブザンビアの一年生6名で制作しました。
リサイクルをテーマに制作するに当たって、私たちは「メッセージ性のあるもの」を作ろうと案を練り、世界の中で大きな問題となっているアフリカなどにおいての水不足にスポットを当て、蛇口を作ることとなりました。
水は古代から地球や人間と共生をしてきたものであり、今では生命の源となっています。人は水を利用し、様々なものを生み出し、それを生活の一部としてきました。その水の調節をコントロールするために生まれたのが蛇口です。ひねるだけで簡単に水が出る、そんな当たり前のことができない地域の人々からすると、作品の蛇口から出ている少量の水もとても貴重なものです。
また、作品の題名となっているネプチューンはギリシャ神話に登場する水や海の神です。人は文明を手に入れるためにたくさんの資源や水を費やしました。しかし、その結果格差が生まれ現代のような状況になっています。そんな現代だからこそ、もう一度原点に戻り水や身の回りの資源の大切さを考えてもらえればいいなと思い、古代から水の神として崇められてきたネプチューンを題名にしました。
このシンボル的な作品を通して水の大切さ、水から生まれる様々なものを蛇口の栓でコントロールできたらという願いを込めて制作しました。ぜひ、この蛇口を見て、今一度身の回りの資源や水の大切さに気づき、考えてもらえたらいいなと思います。

<使用素材>
●ペットボトルのラベル ●お菓子の空き箱 ●シュレッダー ●針金 ●加工木材 ●新聞紙 ●赤外線センサー ●電球


優秀賞

僕のタマシイはモウイナイ/カミジョウミカ

<審査委員長講評>
ペットボトルのラベルを小さく切って貼った作品とのこと。造形的に生きた細胞のような不思議な魅力をもった作品となっています。形が不定形で今にも動き出しそうであり、色も微妙な色相の組み合わせで一枚の絵画作品のような輝きを持ったところが評価できます。

<作品コンセプト>
この作品は、木製パネルに小さく切ったお茶のペットボトルラベルをボンドで貼り付け、その上からわたし(小さな僕)の鼻や口からぽわっと出ていく魂(タマシイ)を描きました。彩色はアクリルガッシュでいろんな文字は油性ペンやポスカで描きました。
わたしの中にはいろんな僕という名のタマシイがいて、何か辛いことや嫌なことがあると、そのタマシイが鼻の穴と口から出て行ってしまい身体はあるけど魂がいなくなるというコンセプトで描いています。

<使用素材>
●ペットボトルのラベル ●アクリルガッシュ ●油性ペン ●木製パネル ●ポスカ


優秀賞

RE sheet/村上 結輝

<審査委員長講評>
黒色が薄れ、白色へと劣化する感熱紙が使われているレシートという素材に着目し、その色が経年変化するであろう腰掛けを制作したとのこと。その発想と粘り強く表現したことを評価したいと思います。わずか一枚のレシートが無彩色の放つ独特の魅力や雰囲気をもった造形表現となっています。

<作品コンセプト>
リサイクルされにくい感熱紙が使われるreceipt(レシート)という素材に注目し、感熱紙の熱によって色が変化する特徴を活かしたモノトーンのグラデーションが美しいsheet(合わせ紙)素材を開発しました。そのsheet(合わせ紙)を使ってseat(腰掛け)を制作しました。

<使用素材>
●レシート ●木材 ●糊


優秀賞

環~見えない繋がり~/岡田 康司

<審査委員長講評>
シュレッダーにかけられたコピー用紙のゴミを固めて、人類の循環をイメージした造形作品とのこと。抽象形の中に歴史を感じさせるような質感、作家の様々なメッセージが込められている雰囲気を持った作品です。紙屑が見事にアートとして生命を与えられたような形や色の表現となっています。

<作品コンセプト>
テーマは環です。近年人類は、困難に直面することも多いですが、我々は、多くの奇跡の循環の上に成り立っています。見えない地中をイメージし閉じ込められた状況の中からも、循環のバトンを多様性を大切にしながら未来に向かって繋げていく思いを込めて表現しました。

<使用素材>
●シュレッター廃棄物(主にコピー用紙) ●アクリル絵の具


優秀賞

Memory Butterflies/石井 佑宇馬

<審査委員長講評>
日々、刻々と消費されている情報のつまった新聞、それらの記事を「蝶」として再生させたいというメッセージが伝わってくる表現となっています。同じ形の蝶でありながら彩色されたものの存在感や流動性も感じられ、リサイクルされたアートにふさわしい造形と感じます。

<作品コンセプト>
新聞は日々物凄いスピードで消費されている。毎日のように環境問題、福祉問題、災害問題、国際問題、自殺や差別といった社会問題など、様々な暗いニュースが紙上で報じられているが、人々はあっという間にそれらのニュースを消費し、やがては忘れ去られてしまう。
そこで私は日々消費されていく新聞記事を「蝶」として再生させ、その時々の社会の記憶を標本のように保存しておきたいと考えた。
この作品におけるリサイクルの意味は、古紙の作品への再利用という点と、失われてゆくであろう社会問題の記憶を再び蘇らせるという点にある。

<使用素材>
●古紙 ●針金 ●プラスチック板 ●手芸用ピン ●コルク栓


優秀賞

PET BUTSU/本堀 雄二

<審査委員長講評>
リサイクルの循環型社会と新しく生まれ変わる輪廻転生の概念とをリンクさせ、象に乗った地球の守護神、帝釈天として生まれ変わらせた発想とその技術は見事だといえます。不用になった透明でシンプルなペットボトルを神々しいリサイクルアートにというメッセージはしっかり伝わってきます。

<作品コンセプト>
生死を繰り返し、新しく生まれ変わる輪廻転生の概念とリサイクルがリンクし、地球環境の守護神として、ペットボトルが帝釈天に生まれ変わる。

<使用素材>
●ペットボトル


優秀賞

ITONAMI ~北国の森では/YOMO KAORI

<審査委員長講評>
情報化社会の急激な進展や新型ウイルスの状況と北国に生息するオジロワシを主題に今に残る自然環境との対比を通して、現在の生活を考えたいというメッセージが伝わってきます。様々な緩衝材や使わなくなった廃材を組み合わせて、オジロワシの親子の姿を愛情深く表現し、バックには300個以上のトイレットペーパーの芯を繋いで森を作成したとのこと。細かい部分へのこだわりやリアルな造形表現に根気よく努力した成果が読み取れます。

<作品コンセプト>
情報化社会の進化は「第5世代」~society 5.0を迎えた現代、大量のデータを即座に送受信し、人間の記憶量の千倍を凌駕するビックデータから情報を取り出すことも出来るように。いつしか万能感に浸っていたかのような私たち人類も、コロナ禍にあっては成すすべなく不安と閉塞感の日々を送る他ありません。2020年地球上を席巻した疫病。それは未だに人類を翻弄し続けています。

未知のことに憂い、おろおろするばかりの人類に対し、地球上の生きものの姿勢はこれまでと何が変わったのだろうか?・・・そう考えてみたことが制作のきっかけでした。

動植物は、自然環境に徐々に順応しながら、古からの営みを今も続けています。誰に教わることもなく生きる為のスキルと、自らの命を次の世代に繋げ、シンプルに今を生きることに専念する姿があるだけです。北海道の山奥では空・水・樹木など、まだ残る環境の中で、今もこのような姿が見られるのだろうと想像しながらの制作でした。

<使用素材>
● バーベキューの使い捨て金網 ● スタンプ式トイレ洗浄剤空き容器 ● トイレットペーパー芯 ● 緩衝材 ● 発砲スチロール ● フラワーオアシス ● 再利用割りばし ● 針金 ● 廃棄家電の配線コード● 紐 ● 空き缶 ● 古い木枠 ● ベニヤ板 ● 台所のスポンジ受け ● 古布切れ端 ● 竹製のランチマットをバラしたもの ● クリアーファイル ● スキー用グローブ中綿 ● ボタン ● 縫い付け用木綿糸 ● 古紙から作った手作り紙粘土 ● 古紙 ● 樹脂粘土 ● 古着からほどいた毛糸 ● 古着付属のラビットファー ● 湿布の空き袋 ● プラスチックハンガー ● 結束バンド ● 強力両面テープ ● 接着剤 ● アクリル絵の具 ● 水性カラーペン ● 古いリースの芯材


高校生の部

グランプリ

あっ!スズメさんが危険!密を避けて!チュンチュン♫/
WE♥︎ART(11名)

<審査委員長講評>
捨てられる運命のコピー紙を包んでいた茶色の包装紙を、ねじり合わせることで雄大な木の生命力を出し、葉脈は一枚一枚折るなどディテールにも神経を使ってスズメの集まる木を制作したことを評価したいと思います。また、スズメの形はもちろん、背骨の本数、中の臓器、一枚一枚の羽毛など、絵の具などは一切使わず、一羽を約10時間かけて作ったとのこと。全体の形はややいびつですが、鳥の表情など全員で一生懸命制作したその努力と工夫は素晴らしいです。

<作品コンセプト>
「不要になった紙は古紙に変化するが違う形にも変化するのではないか?」

解けないかもしれないテスト
提出期限が短い宿題プリント
各家庭へ配布されたコロナ感染防止策のお知らせ
美術のアイデアスケッチのための用紙

私たちは学校でたくさんの紙を使っています。それらが白紙の状態の時は茶色い包装紙で包まれています。そしてその茶色い包装紙はゴミ箱へ?
この茶色い包装紙をARTに変えてみよう!
そんな思いつきから制作が始まりました。
何を作ろうかなー。
私たちの学校は田園地帯や盆栽園に囲まれ、白鳥やカルガモ、大きな蟻、足長蜂、そして野良猫
様々な生き物に囲まれた長閑な場所に建てられました。中でも雀がたくさん集まる木があります。そんな何気無い日常の一コマを限界まで紙で作ってみる事にしました。
これは長い長い紙との戦いでした。

<使用素材>
●紙(コピー用紙を包んでいた包装紙、新聞紙、和紙)


優秀賞

DENIM DE DARUMA/
岡山県立倉敷工業高等学校テキスタイル工学科2年(39名)

<審査委員長講評>
授業の一環としてデニムの端材から消毒用アルコールをつくり、その残りを紙に加工し、最後に造形作品としてダルマを作る、まさにリサイクルの究極の作品といえます。形や色、顔の造りもユーモラスで愛らしい表現となっており、学びのリサイクルアートといえます。

<作品コンセプト>
「再生」授業で使用したデニム生地の端材を無駄にしないよう微生物で糖化することにより消毒用のアルコールを制作。その過程で出た残渣をさらに和紙に加工しダルマを作りました。

<使用素材>
●デニムを糖化する際に排出された残渣 ●和紙 ●新聞紙 ●紙粘土 ●着彩用具(アクリルガッシュ) ●木工用ボンド


優秀賞

ヨミガエル/中条 匠晴

<審査委員長講評>
ペットボトルのキャップの回収機能をつけたカエルを見事に造形作品によみがえらせています。形もユーモラスで、てんとう虫や傘など細かいところに工夫がみられ、色もシンプルでさわやかな作品となっています。特に見て楽しめ、使って役に立つ、そんなリサイクルの表現を高く評価します。

<作品コンセプト>
捨ててしまえばそれで終わり。そんなもの達を組み合わせることにより、カエルの形(カエルが好きなのとリサイクルコンセプトがわかりやすいので)によみがえらせました。
口からペットボトルのキャップを入れて、頭をおじぎさせると飲み込み、コロンと音をたてながらお腹にたまっていきます。
ゴミ箱に捨ててしまいがちなキャップを、ん?何?口に入れてみようかな…と遊びながら回収できると面白いと思い回収機能もつけました。
お腹にたまったキャップはカエルの頭をポコッとはずして取り出し、公共の回収場に持って行けば、リサイクルができます。

<使用素材>

●プラスチック(ストロー、ボタン、キャップ、オリゴ糖が入っていた容器、歯ブラシの柄)
●紙(服の型くずれ防止の厚紙、お菓子を包んでいた紙)
●糸・紐(ティーバッグについていた糸、根付についていた紐)
●段ボール(通販で買ったものが届いた時に入っていた長方形の段ボール)
●ポリウレタン(スポンジとスポンジの裏のザラザラしたやつ)
●布(手袋、自分で不用布を藍染したもの、壊れたマスコットのフェルト部分、綿)
●金属(家電や家具についていたネジ、お菓子についていた針金、荷物を固定していた針金)
●ゴム(荷物を固定していたチューブ)


中学生の部

グランプリ

段ボールオブジェ(シロナガスクジラ、犬、フクロウ、魚2匹)/木村 孔

<審査委員長講評>
何気ない段ボール原紙の素材の美しさに気付き、それを生かした動物の造形作品を作ろうとした発想力や実行力を評価したいと思います。どの作品も形が面白く表情もあり、段ボールの素材が生かされ、ユーモラスなリサイクルアートになっています。

<作品コンセプト>
段ボール原紙の素材感が好きでそれが生きるようなオブジェにしました。

<使用素材>
●段ボール ●新聞紙 ●チラシ ●使用済みの半紙 ●木工用ボンド


優秀賞

チャーハン砂時計/宮田 知大

<審査委員長講評>
ペットボトルの蓋から音の出る砂時計をつくろうとした、その発想力が素晴らしいと思います。そこに117個のキャップを使い、それら1個ずつを32等分して色とりどりの砂とし、2Lのボトル半分を繋ぎ合わせ、回転できるようにするなどいろいろ工夫している点が特に評価できます。形もシンプルで無駄がなく、色もすっきりとした造形作品に完成させています。

<作品コンセプト>

ペットボトルの蓋を細かく刻んでみるとシャカシャカとチャーハンを炒めるような音がしたので音の出る砂時計を作ろうと思いました。
アピールポイント チャーハンの食材のようサクッとペットボトルのキャップを刻みました。117個のキャップを1個32等分にカットするのが大変でした。2Lのボトルを短くして造形にこだわりました。木材を使い優しいデザインにしました。

<使用素材>
●ペットボトル ●キャップ ●アルミホイルと芯 ●木材 ●ボンド ●ぬいぐるみ用乳母車の車輪 ●割り箸


優秀賞

バドバードの世界旅行/久保 琉之介 

<審査委員長講評>
コロナ禍の状況の中、使わなくなったバドミントンの羽をもう一度生き返らせて空想の鳥を造り、世界旅行させようという物語を描き、造形表現に移していったことを評価します。地球のリアルさを出すため、チラシの青と緑だけを切り取って貼るという作業を根気よく続けて造形作品に完成させた、そのイメージや努力が形や色に出ていると思います。

<作品コンセプト>

飛ばなくなったバドミントンの羽を、もう一度空高く飛ばせたら面白いなと思い、鳥を作りました。
今はコロナ禍で、旅行に行くことができないので、バドバードが世界旅行に行くイメージで作りました。
バドバードは自由に飛べるような作りになっています。

<使用素材>
●段ボール ●新聞紙 ●チラシ ●バドミントンの羽 ●プラスチックひも ●ビー玉 ●ねじ


優秀賞

ウミガメ/札幌市立西陵中学校美術部 (7名)

<審査委員長講評>
学校にあった古いスチレンボードを使って、泳ぐウミガメを表現したとのこと。カメの甲羅や頭などを単純化するなど、造形的に表現されており評価できます。海の中をイメージするため背景をどうするか、いろいろ意見を出し合いながら工夫を重ねたことがよく分かります。

<作品コンセプト>
背景とウミガメを、学校にあった古いスチレンボードに色を塗って作りました。

<使用素材>
●スチレンボード ●段ボール ●新聞紙 ●卓球の球 ●雑巾 ●梱包材 ●ペットボトルキャップ ●両面テープ ●ガムテープ


小学生の部

グランプリ

デイノティラヌス(恐ろしい暴君)/
橘 漸(6年生)

<審査委員長講評>
近所の鉄くずを見て怪獣をイメージし、身近にあるビール缶で恐竜のようなものを作ろうとした発想力や実行力が素晴らしいと思います。目の切り込みや歯のプルトップ、爪など、いろいろ表現を工夫し、形や色もシンプルで面白い造形作品となっています。

<作品コンセプト>

近所の大きな廃棄物処理場の鉄くずを見て、ゴミで出来たゴジラならぬゴミラを作りたいと思いました。
でもそれで作ることは出来ないので、身近にあるとうさんが毎日のむ、缶ビールのごみがいっぱいあるので、これをつかって大きいゴミラを作りたいと思いました。
出来上がってみたらとてもカッコイイので、オリジナルの名前デイノティラヌスにしました。

<使用素材>
●アルミ缶


優秀賞

にわとり/アーヤちゃん(1年生)

<審査委員長講評>
どこから見ても可愛らしい「にわとり」の表情が素朴に出ている作品です。特に、段ボールでつくったシンプルなトサカや目などの表現、古紙を切り刻んで羽の部分をリアルに表現しています。すべて捨てられるものから命をよみがえらせているところが評価できます。

<作品コンセプト>
大好きな鳥の中で、一番身近だけど実際に見たことがないにわとりを詳しく知る。また、いつも捨ててしまう身近な物の中からリサイクルできる物を探す。

<使用素材>
●古紙 ●段ボール ●ペットボトル ●新聞紙 ●銀紙 ●竹紙


優秀賞

地球を守るオオカマキリ/虎谷 太陽(4年生)

<審査委員長講評>
美しい地球を守ることをオオカマキリという昆虫に託した作品で何ともユーモラスに仕上がっています。特に古紙を巻いたり、牛乳パックを使ったりと素朴でカマキリという昆虫の特徴をシンプルにとらえた造形となっています。

<作品コンセプト>
人々の行動によって地球環境が悪化してしまったところオオカマキリ(地球環境問題を考える人たち)に守られた。ー地球を汚くしないようにがんばろうー

<使用素材>
●プレイマット ●新聞紙 ●古紙 ●牛乳パック ●竹ひご ●空き箱


優秀賞

サスケと僕のひみつ基地/加藤 颯馬 (1年生)

<審査委員長講評>
可愛がっていた猫の死を忘れないために、廃材を使ってその猫の名前を付けた基地をつくろうという発想がほほえましいです。また、その基地に入りやすくしたり、テーブルをつくったりといろいろ工夫しているところが素晴らしい。兄妹で一緒に遊ぶことができたり、屋根や飾りなど造形的な面白さもあり、学年にふさわしい作品となっています。

<作品コンセプト>
春に僕のおうちにいた猫のサスケが亡くなって天国にいきました。サスケのことをずっと忘れないでいたいから僕のひみつ基地を猫のサスケ型にしてポストもつけて、サスケが好きなゆれる風鈴もつけておばけになってあそびにきてもいっしょに遊べるアートにしました。僕と妹でサスケのひみつ基地でおやつを食べたり宿題をしたり遊んだりしています。基地の中には僕の描いたサスケの絵、テーブルもあり、ずっといたくなる空間になりました!

<使用素材>
●ダンボール ●ティッシュの空き箱 ●アイスの空き箱 ●紙袋の取っ手 ●アイスの棒 ●ガムテープ ●セロファンおりがみ ●プラカップなど


審査員特別賞

永井賞

荒廃から/速見 淳毅

<作品コンセプト>
捨てられた紙は溶かされてばらばらになり、その繊維を組み合わせることで新しい紙へとリサイクルされていく。
それは廃材の欠片を次の舞台へと紡いでいくようである。
この作品は紙のリサイクルの工程から連想し、荒れた廃材の中からその欠片を組み合わせてできた飛行機が、旅立ちに向かう姿を表現したものです。

<永井博 講評>
正確で繊細な作業を繰り返し、まるでその場にいるかのような臨場感をうまく再現しているのがいいですね。モノトーンで構成されているがリアリティもありまるで映画の一部のような観るものを惹きつける作品だと思いました。

<使用素材>
●新聞紙


菅原賞

ミニチュアおまつりボックス/多門 花佳 (小学2年生)

<作品コンセプト>
去年も今年もコロナで大好きなお祭りがなくなって、浴衣を着てお出かけができないので、家の中でいつでもお祭り気分を味わえるように、ちっちゃくて可愛いミニチュアの「おまつりボックス」を自分で作っちゃいました。6個の小さな箱の中は、それぞれ楽しいお祭りの屋台になっていて、外出を控えなければならない中でも、家族と一緒に本当のお祭りに行った気分で遊ぶことができます。今年はこのミニチュアで遊んで我慢するので、来年こそは浴衣を着てお祭りに行けたらいいなぁと思います。
アピールポイント まずは大きなお菓子の空き箱のふたを開けてみて下さい。するとその中にはまた箱が!箱の上には「あ・け・て・み・て・ね」の文字を書きました。大きな箱にピッタリ収まっている6個の小さな箱を、「何が入っているのかな?」とワクワクしながら好きな順番に開けてみて下さいね。それぞれの箱の中の屋台は、小さいけれど実際に遊べるように作りました。よかったらぜひ遊んでみて下さい。大きな箱のふたの裏側の絵は、浴衣を着てお祭りに行ける日を想像しながら描きました。材料はすべて家にある物や捨ててしまうところだった物を使ったので、かかったお金は0円です。

<菅原一剛 講評>
小さな箱の中にたくさん詰まった“お祭りたち”。それらがひとつひとつ丁寧に、身近にあるものを利用しながら「お祭りに行きたいなあ」という想いを込めて創られているそのすがたはとてもあたたかい印象があります。一日も早く、また楽しいお祭りに行けるといいですね。

<使用素材>
●空き箱 ●針金 ●気泡緩衝材 ●キッチンペーパーの芯 ●輪ゴム ●ストロー ●割り箸 ●爪楊枝 ●新聞広告 ●短くなったクーピー ●ミニ鉛筆削り ●包装紙 ●厚紙 ●綿


三浦賞

食品のトレー5/松尾 京子

<作品コンセプト>
色々な食品に使われているプラスチックのトレーでさまざまな形に変えて5つの作品ができました。ゴミの山となっているプラスチックはいつまでも形を変えて(砕けて)もどうしても消えない厄介なものになっているのです。世の中すべて便利なのが当たり前(恐ろしいこと)で後を考えず無頓着になりすぎと思います。せめてゴミ分別は1人ひとりの最大の課題と考えてほしい。ポイ捨てはその中の動きが自分は恥ずかしいことを平気ですることです、今少し自分が考え行動しましょう。。

<三浦啓子 講評>
リサイクルアートとは、一つの役割を終えたモノを改めて見つめ直し、新しい価値を作り出すことと捉えています。
松尾さんの作品は、食品トレーの色彩の豊かさ、形状の細やかさについて、再認識を促していることに面白さを感じました。ピクチャーとしての魅力もさることながら、食品トレーであった時のその時は気づかなかったかもしれない細かな形状の役割を想起させ、そしてこの作品に出会うことで、今現在食品トレーとして使われているものに対しての眼差しを深めるものと思いました。大変豊かな作品と思います。おめでとうございます。

<使用素材>
●空箱食品トレー包装紙 ●スチロール球(果物ネット・水引) ●シール(牛)


引地賞

ケヅメリクガメの りっくん/
友森 大地 (小学5年生)

<作品コンセプト>
使用済みの段ボールを使って作品を作りました。モデルは近所の庭で飼われているケズメリクガメのりっくんです。人懐っこくて愛嬌があって近所の人気者です。自粛期間中は、いつも、のんびり穏やかな姿にいやされていたので、見る人がほっこりするような作品を作りたくて実物大の作品にしました。

<引地幸生 講評>
この作品を見たときに「本物」と思うほどの完成度でびっくりしました。それもご家族の応援もあっただろうと想定しますが10歳の小学生がここまで仕上げる努力や技量にも驚きます。使用済みのダンボールだけで作り上げた実物大の「ケズメリクガメ」はほんとうに生きているようで、甲羅や足の爪、顔の表情に至るまで細かく観察し、丁寧に仕上げた素敵な作品です。

<使用素材>
●段ボール ●ボンド