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2017 受賞作品|一般の部|準グランプリ

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高本 夏実

主な使用素材
CD(廃棄物)、鉄板

作品コンセプト
デジタル情報記憶メディアの代表格であるコンパクトディスク(CD)を用いて、紙飛行機を模した巨大なオブジェを作った。かつての主要な情報媒体であった紙は今やデジタルに取って代わられつつある。情報の重みに耐えかねて地に落ちた飛行機は、めまぐるしく変化する時代に生きる我々が向き合わねばならない社会問題へのメタファーであり、警鐘である。

アピールポイント
廃棄処分されたCDおよそ1600枚から紙飛行機を模した巨大なオブジェを制作した。
1万強のパズルピースからなり、いずれもCDから一枚一枚切り出したものである。情報が複雑に、しかし整然と交差する様相をパズルとして具象的な表現に落とし込み、またそのデジタルな特質からメカニカルな見え方を模索した。ベースに鉄板を用い重厚感を出すことで”情報の重み”を物質的にも表現した。
[紙飛行機に込めた想い]
紙飛行機は総じて空を飛ぶものだ。それが横たわった姿は危機的であり、またどこか悲壮感漂う。紙飛行機はその性質上、いつかは地に落ちる運命にある。電子と紙、デジタルとアナログの対比・融合という観点からもモチーフとして最適であった。

審査員 講評
廃棄された1600枚のCDから1万枚以上のパズルピースを取り出したもので、それを鉄製の紙飛行機の造形作品として生まれ変わらせた発想はユニークであり、かつ粘り強い制作態度に敬意を表したいと思います。
整然と交差したパズルピースは鉄製の「紙飛行機」の翼において、造形美であるバランスとリズム、ハーモニーを奏でており、見る人に情報社会の変遷と新しい時代の幕開け、旅立ちを予見させる作品となっています。

CATEGORIES

2017