2020 受賞作品|一般の部|準グランプリ
敷物にされたツギハギTIGER
classicdraw
<コンセプト>
日本には布のはぎれを繋ぎ重ねてつくる「襤褸(ぼろ)」という文化があります。木綿などの布が貴重だった頃、人は布をとても大切にしてきました。着物の穴が開いた箇所にはあて布を縫ったりハギレを繋ぎ合わせたりして、一つの着物を代々受け継いで大切に使ってきた歴史があります。この作品は、襤褸の精神でもある「ものを大切にする」という心を表現する為に、着古したTシャツとバンダナの400枚におよぶハギレを縫い合わせて制作しています。
また、モチーフであるトラは、紙や木材などを取る為に生息地である森林を奪われ、密猟被害もあって絶滅危惧種となっています。今あるものに感謝し、限られた資源を大切にしていくことでこれからの地球と私たちの未来が明るいものになればと願います。
<アピールポイント>
古布に色を塗ったり、染めたりすることなく、あえてTシャツとバンダナそのままのプリントとカラーを活かして制作しました。裏側にはカーテンを使い、体の中綿には羽毛布団を使っています。作品名には、漢字・ひらがな・カタカナ・英語を使うことでツギハギのコントラストを表現しています。虎の顔は不満を抱えたなんともいえないチャーミングな表情をしており、見る者に訴えかけます。ファストファッションの出現により衣服を安価に手に入れることが出来るようになった反面、世界中で年間228億点もの売れ残った服が廃棄されているといいます。野生の虎においては、昔にいた10万頭が今はおよそ3000頭まで減少してしまいました。この作品がこれからの地球のことを考えるきっかけになれば嬉しいです。
【使用素材】
●古布のハギレ(Tシャツ、バンダナ、サテン生地、フェルト)
●羽毛布団
●カーテン
●クッションの中綿
●フローリングタイルの端材
●木材の端材
●緩衝材
●針金